「犬になりたい」

「なんですか、いきなり」


「そして人に飼われて
可愛がられたいんだ」

「何か悩みでもあるんですか?」


「だから上坂君、
俺の事飼ってみない?」

「人の話聞けよ」


突然変な事を言い出した先輩は何故か体育座りが好きだ。

そんな先輩の横に、
いつもと同じように並んで座った。


「最初からしつけその他諸々の
完璧な犬ってよくない?
オススメなんだけど」

「いや、そもそも犬じゃないでしょうが」

それに自分で自分を薦めるほど先輩は完璧ではないと思う。