小学生一年に成る前の冬。

私は今まですんでいた町を離れて隣の市に移住した。母親の再婚がきっかけだった。

名字は変わらなかった。別に父親が私たちに合わせたわけではなく、ただたんに父親の名字も宮田だっただけだ。

弟もやっと自分の名字に馴染み始めた頃で四歳なのだ。いまさら名字がかわられても、難しい話だと今は思う。

家の近かった(徒歩五分)イトコたちとも離れて、友達なんてできるのか、怖くなっていたような気もする。いや、そのときの記憶は、ない。だから友達が居たのか微妙なところだ。結局二年生に成る頃にはまた引っ越すことになったし。

離婚した、とかじゃない。赤ちゃんが生まれるから、一軒家を購入したのだ。一年間はマンションだった。

そんな目まぐるしい激動の時期で、お父さんと呼び慣れない名前にも慣れ始めた頃、家族が一人増え、その翌年には一気に二人増えた。まさかの双子だった。

その時私は九歳。長男爽太は七歳、次男爽輝は一歳、双子、三男爽馬、次女爽歌は零歳。

その五年後つまり私が十四歳の時、四男、爽雅が誕生した。