私の出る幕なんて、始めから無かったんだ…。


「当たってくだけろ今井」

「でもっ…」

「伝えなかったことを後悔する時が来るかもしんねぇぞ?」

「でも伝えたことを後悔するかもしれない!」

「そん時はそん時だ。『あの時言っとけば良かった〜』じゃおせぇんだよ…」


高先…。


誰のことかはなんとなく分かるよ。


私…


行かなきゃ。


「京汰!悠斗の店番っていつ?!」

「あ〜もうじきなんだけどやっぱケータイでねぇわ…」

「私呼んでくるよ!」

「呼んでって…おいっ!……ったく…」


ごめん京汰…。


今行かなきゃダメな気がするの。


悠斗が行きそうな場所…。


急いで屋上に向かって扉を少し開けた。


見えたのは、私が1番見たくなかった光景…。


ふたりがキスしてるとこなんか…見たくないよ…。


現実をたたき付けられた感じ…。


盗み聞きしたいわけじゃないけど、周りが静かだから声が丸聞こえ…。