その時後ろで聞こえた『バキっ』って音。
それと同時に倒れ込む一人の男の人。
「やべぇ〜俺ナイスタイミング過ぎ?」
「悠……」
そこにいたのは悠…。
いつもと同じ優しい笑顔の悠を見てたら我慢してた涙が溢れ出す…。
「柚さ〜ん…もう大丈夫だから泣かんで下さい?」
「…っ…悠〜…ありがと…」
涙が止まらない…。
この辺りで不審者が出たって噂になってたらしい。
「間に合ってよかった〜…」
「バイト…抜けてきたの…?」
「京汰に代わってもらったんすよ」
どうしてここまでしてくれるの?
そんなことされたら、期待しちゃうよ…。
「家まで送りますね?」
どうしよう…。
立ちたいんだけど、立てない…。
腰が抜けちゃってる…。
手をさしのべてくれる悠の手を掴むことが出来ない。
「柚さん?」

