何か握らされた…?


「ゆっ…悠斗?」

「それ、俺の連絡先。来る時は連絡して下さい?」

「あ……はい…」

「せっかく柚さんが一円持って来てくれんのに、俺いなかったら意味ねぇじゃん。」


なんだ…


やっぱりそれだけだよね。


あたしってば何を期待してるんだろう…。


「柚さん?」


心配そうにあたしの顔を覗き込む悠斗に、好きって言葉が出そうになる…。


でも…一目惚れ。だなんて


軽い女だなんて思われたくない…。


だから今はまだバレちゃだめ。


「じゃ…またね!」

「今度こそ、気をつけて〜」


そう言って、頭をポンポンってした悠斗。


それだけで心臓が壊れそうなくらい…。


家に着くとさっそく貰った紙を開けた。


少し汚い字に安心する。


だってあそこまで完璧だったら、欠点を探したくもなる!


…………


ケータイと睨めっこして1時間…。


…いきなりメールして、いいものなの?


あ…悠斗、『来るときに連絡して』って言ってたよね?


明日にしたほうが良いのかな…


でもそこまでしたらキモいのかもしれない…


しばらく待ってみる?