「田神!休憩まわせよ〜」

「うぃーす…」


店長にそう言われ、レジから出た。


ふと外を見るとみたことのある後ろ姿。


マジで…?


「ちょっ…田神?!」

「すいません店長!なんでもするんで!」


気がつけば走ってた。


本当に柚さんかどうかなんて分かんねぇ。


でも自信があるんだ。


遠くなる背中に追いつこうと走る。


近付いて見たら小さい背に長めのパーマがかかった茶色の髪の毛。


「柚さん足早過ぎ……なんで逃げんの…っ…はぁ……」


腕を掴んで無理やり振り向かせると、やっぱり柚さん…。


でっかい目に溜まる涙を見て、思わず抱きしめた。


「悠っ…っ…」


元から細い柚さんがもっとガリガリ…。


俺のせいだよな?


ごめん、柚さん…。