「服を脱いで!」

カーテンを閉め切った薄暗く狭い演劇部の部室で、カノジョは言った。
教室にいたときの、クラス委員のまじめで親切丁寧な口調とまったくちがう。
別人のように、あきらかに有無を言わせない命令口調だ。

それから、カノジョは赤縁メガネをはずした。
まつげの長い大きな瞳が、するどく光る。
ツインテールを縛っているピンク色の水玉シュシュを、サッと両方とも素早くとりはずした。
長い黒髪が、ふわりと腰のあたりまでたれさがる。桃のような苺のような甘い匂いが、また俺の嗅覚を刺激する。

「あの、俺…」

とまどう俺の前で、カノジョは、エンジ色の胸のリボンをするりとはずした。
白いブラウスのボタンを上から、ひとつ…、ふたつ開ける。このまま三番目のボタンをはずしたら、きっとブラウスの隙間から、そのはちきれそうな巨乳を包んでいるブラが見えてしまうだろう。

転校初日の学校で、まさかの童貞喪失?!
しかも巨乳で甘々童顔アニメ顔のカノジョと?!

心臓が抑えきれない爆音で脈打ちながらも、俺は言われるがままに制服のネクタイを緩めてはずした。

「早く!」
「は、はい!」

カッターシャツを急いで脱いだ。
そして、下着の白いTシャツも頭から脱ぎ捨てた。