出発点には先生が数名居て 引き返した人たちも何人かいた。 その中で、人を抱えて下りてきたのは あたしたちが初めてなんだろう 先生たちは驚いていた。 先生曰く 真緒は、睡眠不足だそうで 「今日が楽しみだったのね」なんて言ってた。 全然気付かなかったな… 真緒が小屋で介護を受けている間 あたしは外のベンチに座って待っていた。 ふと気付くと あたしの前に影ができて、その存在に気付いた。 「心配しなくても高橋は大丈夫だよ」 あたしの隣に腰を降ろすと 爽やかな笑顔が向けられる。