それを言ってから気付いた。 萌絵が泣いてる 辛い顔をしてる 「…ぁ…萌絵…」 「そんなの知りたくもない…っ…優衣ちゃんには…元弥君のよさなんか一生分からないよ!」 「萌絵ッ!!」 あたしの声は虚しく響くだけで 走り去って行く萌絵には届かなかった。 最悪だ… 親友を傷付けた。 なにやってんだろ… ただ、萌絵に幸せになってほしいだけ。 それが、アイツじゃだめなだけ。 だってアイツは……―― 人をもて遊ぶだけの 最低なヤツだから。