長い塀が続く道を進んで、やっとデカい門がお出迎え
つっても門でも形だけなんで、勝手に開けさせてもらって中に入る。
玄関までの道に庭があるけど長い間無人だったから変なラフレシアがある。何コレ
玄関に着いて、まぁ、チャイムなんてないからドアを叩くわけ
ドンド………ン、ガラガッシャーーン!!
‥勘違いしないでほしい。
今のは決して私のせいではない。
確かに前半部分は私がドアを叩いた音だ。それは認めよう。
だが後半部分は断じて違う。私ではない。
そう、おそらく屋内からの音だ。
「…だ、大丈夫ですか!?」
勿論相手からの返事は無言だ。
しかしドアには鍵が掛かっている。
小説やドラマの中では蹴破るところだ。
だが、玄関がいくら木製だからって玄関というのは分厚い。
そんな簡単に蹴破れるのなら泥棒ホイホイだ。
まさに為すすべなし、と思ったら大間違いだ。
私はさっきの庭に戻り、ラフレシア、の隣の植木鉢を持ち上げた。
「やっぱりな」
植木鉢の下にあったのはこの家の合い鍵
なんで私が知ってるかって??
それは推理するまでもない。
お年寄りというのは物忘れが激しいから助かるのだ。


