紳士と淑女の推理紀行






瞳は伏せ、下すらも向いていない視線




どうしたら、そんな顔をする事ができるのだろうか。




‥ま、私には関係ないわな。




「とにかく、お願いできませんか。魚沼さん」



「う…ま、まぁ事件が解決するに越した事はないし……」




まだ渋っているのか。




「私だって誰彼構わず頼む訳ではありません。貴方だからこそ頼める事がある。父ではなく、私の。探偵としての頼みを聞いて頂きたいんです。」




これは真実だ。




魚沼さんだからこそ信じれるし、頼りになり頼む事ができるのだ。




「わかった。…しかし、危険だと判断した場合は我々警察に任せる事。報告は逐一し、なるべく個人で行動しない。約束できるな。」




まったく、警察としてか保護者としてか




「はい。」



「もー指切りします?」



「「それはいい。」」