「で、そのじいさんが?」
「いやいやいやいや。じいさんの話じゃないからね?新しい住人さんの話よ?」
あれ違ったっけ。
「いやさー?
あそこ今幽霊屋敷って言われてるわけでしょ??」
「あんなん小学生くらいしか信じてないだろ。」
今さらそんな噂…
「いや祖父ちゃんが怖いから回覧板渡せないって」
ーカチャ‥
飲んでいた紅茶のカップをテーブルに置く。
「祖父ちゃん待とうか。」
ビックゥッとあからさまに怯える祖父
‥つまりあれか。
自分が回覧板を届けにいくのが怖いから私に届けてほしいなー‥みたいなあれか。
「祖父ちゃん、、、」
「小学生レベルなのは身長だけにしてよねー二等身ププ」
あ、逃げた。
「……ま、そういう事だ。届けてくるよ。」
「じゃー俺は帰るよん☆」
そう言って、二人で外に出た。
じゃあまた、と手を振ってお別れして、私は幽霊屋敷へと向かった。


