「ところでばあさんや。」
「なんだねじいさんや。」
なぜ日本昔話風。
「近所にあったあの洋館、覚えてる?」
そう言われ、記憶を辿ってみれば思い出されるのは1つの洋館
でかくて広いし、それなりに立派な建物なのだが、ツタや木の根がからまっていてなんだか怪しい
まあ、幽霊屋敷として近所で言われている。
「うん。覚えてる。けどそれがどうかしたのか?」
「いやねー?一週間くらい前に新しい住人さんがこんにちはしたんだよ。」
つまり新しい住人が住み始めたと。
元々幽霊屋敷と言われていたが、三年くらい前までは1人のじいさんが住んでいた。
当時私は中学生だったが、私の言葉遣いは古めかしかったせいかそのじいさんとよく話をしたものだ。
三年くらい前に外国にいる息子夫婦と一緒に住み移ったが。


