紳士と淑女の推理紀行






「そんなっ…じゃあよしみは別の犯人に殺されたというのか!?一体誰に!?」



「それはまだわかりません。私たちが独自で捜査しているだけですので。」




確たる証拠はまだ何もないのだ。




だからこそ調べなくてはならない。




それから、高田にいくつかの質問をした。




「山本よしみさんに対して、恨みを持っていた人物に心当たりは?」



「…恨み、ですか。そうですね。よしみに聞いた話ですが、高校の時に付き合っていた恋人をフって……恨まれてるだとか。」



「…ストーカーですか?」




白馬の質問に考えるような仕草を見せる高田




「どう、でしょうね。でも一時期そんな事がありましたが…私が注意したら止まったみたいですから」



「注意?本人に直接ですか?」



「付きまとうのはやめろ、みたいな事を…」



「その男の名前は?」



「飯田悟です…」




飯田 悟(イイダサトル)




「…ありがとうございます。」




そう言って、お辞儀をした後、白馬が言った。




「失礼ですが…山本よしみさんが殺害された時刻…どちらにいました?」



そう言った。




「…11:00頃、よしみと自分の部屋で会っていましたが30分したらよしみは帰りました。……その後は部屋に一人でした。」



「ありがとうございます。」




にこりと笑う白馬




「あの、疑われているんですか?」



「まさか、あくまで聞いたまでです。お気を悪くなさらないで下さい。」




そう言って、私たちは会社を出た。