最終的に(心が)折れた魚沼が私達を連れ出す。
入った部屋は取り調べ室の隣
取り調べ室に設置してあるマジックミラーから取り調べ室が見える様になっているのだ。
取り調べ室にいるのは刑事二人、書記官一人
そして、通り魔の男
独特な、緊張感が漂う室内を覗く
「あれカツ丼ってないんですね。」
「少し黙れ」
あんなんフィクションに決まってんだろが
「…自供は?」
「自供も何も現行犯逮捕みたいなものでしょ」
「‥まぁ、通り魔の件については認めてるんだ。」
通り魔の件については?
「山本よしみの件については?」
白馬の追求に魚沼は眉間に皺を寄せる。
「それに関しては真っ向に否定しているな。『自分はやっていない。』その一点張りだ。」
殺人となると刑罰が重くなるからか、
それともー‥
「仮説、の線が有効になってきたー‥か。」
呟く白馬
「オイ仮説ってなんだ?また危ない事しようとしてんのか?」
やば、さんまいたんだった。
「もぉー♪そんなに仲間に入れてほしいんですか?さんまさんの甘えっこさん♪」
ツン、と魚沼の額を押す白馬
魚沼のみならず私にまでさぶいぼが立った。
「…オイヤメロ」
「恥ずかしがっちゃってぇ~♪♪」
これ以上白馬に余計な事を喋らせまいと部屋から出ていく。


