『お父さんお母さん。すぐ帰ってきてね。』



『もちろん、すぐ帰るからな』



『いい子にしてるのよ。』




撫でられた頭の感触は確かめられず、父と母の背中を見送っていた。




『…お父さん、お母さん……っいやだよ、帰ってきて。すぐ帰るって言ったでしょ…』




涙を流すだけの自分がひどく幼くて、




帰ってきてと何度も言った。




もう帰ってくる事のない人に