「お前がそこまで身体をはる必要があるか!?それに何故そうする?私とお前は会ったばかりだろう!?」
「守るべき対象があるのなら、俺は誰であろうと守りますよ。」
違う。
白馬は、そんなお人好しな奴ではない。
事件が起きても、きっと知らん顔ができる奴だと、思った。
あの時、玄関で彼が言った言葉は事実だろう。
でなければ、あんな言葉は言えない。
あんなに無機質な、芯の通った声など、私には出せない。
ならば何故、
彼は私に対しここまで守ろうとしてくれる?
同じ探偵だから?
女だから?
理由はいくつも浮かんでくるが、どれも腑に落ちないものばかり
では、
「…白馬、お前は私の何を知っている……?」
白馬の頬に触れて感じるのは冷たさ
白馬は決して私の方を見ようとはしなかった。
「なにも♪」
ハハッ、と笑う白馬の微笑みは嘘のように見えなくて、
嘘かもしれないけれど、私には見抜けない微笑みで
そう言ったんだ。
「……そうか。勘違い、だったな。すまない。」
手を離して、そのまま歩き出す。
白馬は、私には言えない事があるのだろうか。
ならば、私は聞いてはいけないのだろうな。


