木曜 深夜
「……白馬、本当にいいんだな?」
声を潜めてそう目の前の奴に聞く。
「意外にしつこいですね紅葉ちゃん」
「私は確認をしたまでだ!あと名前で呼ぶな」
暗い道
ここは通り魔が出る半径を仮定した場所だ。
今夜通り魔がここ周辺に現れる可能性は高い
「…だが、私のわがままで白馬がこうまでする必要はないんだぞ。」
「貴女のわがままなら聞くよ。それがどんなでもね。」
だが………
「流石の私も女装をさせるのは抵抗あるんだよ!!」
「あははーここまでしておいて今更ー」
そう、今の白馬はつけ毛つけ胸女物の服にピンヒールおまけに化粧ばっちりだ。
はっきり言おう。
男じゃないくらいの美人だ。
「………お前、すごいな。」
「複雑だなぁ」
だが乗り気な白馬である。
そう、白馬が提案したのはこういう事だ。
初めは私が囮になるつもりだった。
だがそれを白馬が反対した。
そしてかくかくしかじかでこうなった。


