白馬は黙って聞いていた。
夜の静けさと、話す度に上がる白い息だけが存在していた。
「依頼が終わって‥日本に帰国する三日前に、残っていた犯行グループの仲間に射殺された。」
両親が依頼されていたのは誘拐事件だった。
外国で事業を行っているお金持ちの子供が誘拐された。
当時その子と私は同い年で、両親は力を入れていた。
そして犯人を突き止め、人質だったその子を無事保護
それで事件は解決したはずだった。
事件も無事終わり、少し滞在していた両親
だが、
誘拐事件の仲間が、ホテルに乱入し両親を射殺
両親は即死だったらしい
犯人はそのまま逃亡
二年程前まで行方もわからなかった。
けれど
「ある人がな、犯人を突き止めてくれたんだ。」
その人は証拠や当時の状況、誘拐事件との関わり
全ての情報が記されている書類をイギリス警察に送り、
それだけでなく、犯人の現在の場所も割り当てていた。
その場所に警察が乗り込むと、後ろ手に縛られた犯人だけがいたらしい。
けれどその犯人はひどく狼狽していて、殴られたりした後や傷が数カ所あったらしい。
警察が踏み込んできた時警察に助けを求めたというほどだ。