紳士と淑女の推理紀行






私がそう言うと魚沼が嫌そうに言った。




「ふん、どうやら遺体を荒らしたりはしてないようだな。免許証がサイフから出てきた。」




透明な袋に入った免許証をよく見ようとしたら魚沼はその袋を上に持ち上げて私に見せないようにした。




「お前ら探偵なんぞには関係ない。」




ハンッ、と鼻で小馬鹿にしたように笑う魚沼もといさんま




が、しかし




「やだなぁ大人気なさすぎですよさんまさん♪」



ヒョイ、と上に持ち上げられた袋を軽々と白馬が奪った。




「あっ、こら返せ若造!!」




魚沼はそう言うが身長的には白馬が勝っているので無理だ。




白馬は左手で魚沼の頭を抑え右手で袋の中の免許証を見た。




「被害者 山下 よしみ(26)ですか。」




山下 よしみ(26)、と名前を持ってきた手帳に書き上げる。