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「何でいるんだ?」
「わー冷たい」
いや何でだと聞いているのだが。
「…追いかけてきたのか?」
あんな事言ってたくせして‥
立ち上がり、気まずそうに視線を逸らしながら吐息を漏らす。
「貴女を一人で危険かもしれない場所に行かせるわけにはいかないでしょ。」
あ、そう
私はなんだか納得してしまった。それから
まいった、と思った。
どうやらこの白馬惟牒という奴は口では知ったことではないと突き放しておきながら
実際には人が傷つけられるのを嫌うタイプのようだ。
なるほど、私が白馬をいけ好かないと思う理由がわかった。
ただの同族嫌悪だ。
チッと軽く舌打ちして、白馬に視線を移す。
掴まれてた手首は痛くはなかった。
どうやら私だとわかっていて手加減したのか
それとも単に力がないだけなのか。
「…で、紅葉ちゃん」
「名前で呼ぶな。」


