息を呑む。
そして近付き、
ペンライトを女性に照らす。
うつ伏せの女性は口を開き、目を見開き、こちらを睨むような形だ。
ピクリともしない女性をよく見ようとしゃがんだ。
ガサ、と草の音がし、急いでペンライトを消し、木の陰に隠れた。
息を殺し、様子を窺うつもりだった。
気配も消したはずだった。
だがー‥
「ーーっ!?」
向いていた反対側から、腕を引っ張られた。
私は相手を振り向くまでもなく、掴まれていた腕とは反対の手を相手に振り上げた。
けれどそれは当たらず、逆にその手も掴まれてしまった。
「…!」
持っていたペンライトが落ち、何か石にぶつかったのかカツンと音を立て弾みでライトがついた。
「…はく、ば?」
腕を掴んでいたのは白馬だった。
しゃがんでいたため、ライトは少し白馬を照らした。


