紳士と淑女の推理紀行






「‥お前の言うことは間違っちゃいない。確かに私はまだまだ未熟で素人だ。自覚もしている。」



震える拳を握りしめる。



「だが例え偽善的行為でも!
自分のすぐそばで行われているかもしれない事件をほおっておく訳にはいかない!!」




白馬の胸ぐらを掴み、顔を近づけさせる




誰かに依頼された事件としても、
誰にも依頼のされない事件も




「そこに犯罪がある限り、誰かが罪を犯し誰かが傷ついているんだ!!」



そこまで言って、荒くなった息を吐き出す。




だが、私が言った言葉は、白馬には何の意味も持ち合わせなかった。




「例えそうだとしても、俺は困らない。」