耳を疑った。
思わず顔を上げ、白馬の顔を見る。
無表情なのか、微笑んでいるのかわからない曖昧な表情
「貴女が首を突っ込む必要はありませんよ。
警察に頼まれた?被害者関係者に頼まれた?」
確かにそのどちらでもない。
「貴女はいつもそうでしょう。
事件にわざわざ自分から首を突っ込んで解決する。
…いえ、解決するならマシだけど解決できなかったら?ただ事件をひっかき回しただけの邪魔者だ。」
響く声、しん、と静まりかえった冷たい玄関に響く。
受け取った携帯を握りしめる
「貴女のその偽善的行為は、探偵にとって邪魔なだけですよ。
貴女はまだまだ、未熟な素人だ。」
そう微笑んだ白馬の顔面に握った携帯を投げつけていた。
頬に当たった白馬の頬は赤くなっていた。
カシャン、と音を立てて落ちた携帯
一瞬の沈黙の後、
口火を切ったように私は話した。


