紳士と淑女の推理紀行






全く、コイツのせいで今日一日大変だったじゃないか。




いや、訂正しておこう。



「いやー寒いですねー」



現在進行形で迷惑だ。




なぜ私がコイツと一緒に帰らねばならんのだ。




「逢坂さーん」



「うるさい。とっとと歩け。」



「えーひっどーい♪」




白馬惟牒は無視してさっさと歩を進める。




ふ、と視線に入った道のペンキ




「なんだコレは」



「黄色いペンキですよ。」




道の脇には黄色いペンキがべっとりと着いたコンクリートがあった。




「そんな事は解っている。私が言いたいのは……オイ何だそれは。」




白馬惟牒の肩に乗っている黒猫




「猫です♪」



「どこでさらってきた。返してこい。」




というかいつの間に




「拾ったんです。」