「紅葉ちゃん?お顔が優れませんわ。なにか悩み事でもありますの?」




翌日、学校の教室で私を気遣う蘭子がいた。




「いや、大した事ではないんだが‥」




隣家の白馬 惟牒の事は言うべきか。




蘭子はあまり白馬 惟牒に対していい印象があるわけではない。




その一方で私も蘭子を白馬 惟牒のようないけ好かない野郎に紹介していいものか、と迷っている。




実はあの後、白馬 惟牒とはこんな会話をしていた。




*****




『君が…白馬 惟牒か?』



『おや、ご存知でしたか。嬉しいなぁ。』




‥友人が会った事もない君を敵視している事をご存知だ。




『…知っていると言っても名前くらいだ。詳しくはわからない。』




そう言うと白馬惟牒はニッコリと笑って携帯を操作し始めた。




なんなんだコイツ。
笑った後に携帯を操作とか意味深すぎるだろうが。