アイツ意外性てか
ギャップ萌えでも狙ってんのか。
図々しいにも程があるだろ。
愚痴りながらペラペラとページを捲る。
「…ーっ」
開いたページは321ページ
ここまで読んだのか、そこには栞が挟んであった。
私と、同じ
「紅葉の、」
紅葉の、栞ー‥
「私のと、同じ」
栞の形も、型紙も、違うけど、
中にある紅葉は、
「私と、同じー‥っ」
なんで同じだとわかったか、そんなのわからないけど
なんでかわかったんだ。
あぁ、同じだって。
だって、きっと
あの日、紅葉が落ちてきたのはー‥
「…ッ、ヒッ……ク」
訳がわからないままボロボロ泣いて、
白馬のだっていうのに本のページに雫の後が付いて
胸に押し付ける形で紅葉の栞を握り締める。
「そんな所にいちゃ、危ないよ。」
知ってるよ。
危ないのなんて。
脚立落っとこした馬鹿も知ってる。
だからわかってる。
「じゃあ、そんな所で泣かないで」
誰のせいだと
「俺のせいだよね」
わかってるんなら
「謝れよ、馬鹿白馬」


