彼は笑いながら回覧板を受け取り回覧板を見た。
「もードライすぎますよ紅葉ちゃん。まぁ抵抗されればされる程燃えますからいいですけど。」
ああ、前言撤回はしないが付け足しておこう。
コイツは変態だ。
「…って、私は名前を名乗った覚えはないのだが」
「んー?
回覧板に書いてあらら書いてないや」
嘘が下手すぎではなかろうか。
「テレビでやってるからね♪美人さんって一回見れば覚えるから!」
変人変態にタラシ野郎が加わったな。
「凄い評判だよね。」
「あれは大袈裟なんだよ。」
昼間のテレビの事を思い出して苦笑する。
「そんなことないと思うよ?俺も同業者だから解るけど、君の推理力はなかなかだ。」
そういった彼はニヤリと口角を上げて笑った。
「…同業者……?」
彼は胸に手を当ててお辞儀する。
まるでどこかの紳士のように
「改めて自己紹介するよ紅葉ちゃん。
俺の名前は白馬 惟牒。君と同じ、高校生探偵だ。」
初めて会った高校生探偵は、
変人変態のタラシ野郎だった。


