明らかに表情の色が変わった高田




「貴方は通り魔の犯行に見せかけるために通り魔の特徴であったペンキを山下よしみさんの背中に塗る事にした。」



「だが時間は深夜、そして店でペンキを買うにはリスクがある。」




監視カメラや領収書、目撃者がある




「だから貴方は自身の働いている会社、文具会社のペンキを使った。」




会社から取った、それならー‥




「会社が把握している備品の数と、一致していなかったりしたら…?」



「…ぁ、あぁ……」




完全に、負けた




そんな敗北の表情を見せる高田




これはもう、認めたも同然だろう。




「さて、共犯者の件ですが…」




だが白馬はさらに高田を追い詰める。




わざわざ座り込んでしまった高田と同じ目線まで低くして、




「貴方の会社の受付の女性、ー‥名前は知らないけど、その人ですね?」




何故、といった表情で顔を上げ、白馬を見た高田




「まぁ、完璧な推測だけど、彼女は山下よしみさんの背格好に似ていたし」




よっと、と立ち上がる白馬




「それに、高田って人をすぐ貴方だと思ったしね、」



「…は……?」




訳がわからない、といった高田の様子




まぁ、今の発言には私にもよくわからなかった




「あの会社、高田って人があともう1人いたんですよね、営業部に。それなのに彼女は『高田正一』だとすぐ思った。

それは何故か?
すぐわかったんですよ。あぁ、あの事件の事かって」