「自分の持ち物に、自分の指紋が付いていないというのはあり得ない事。年がら年中、手袋をして過ごす訳がないのだから。」




では何故指紋が付いていなかったのか、




犯人が拭いたから




では何故拭き取ったのか?




それは、




「携帯に、自分の指紋が付いてはおかしかったからです。」



「まぁ…当たり前だよね?」




坂口が疑問系に言う。




確かに、その通りだが、よく考えてみるとちょっとわかる事なのだ。




「山下よしみさんは、高田さんと坂口さんとは親密な関係にいたんだ。だったら2人の指紋が付いていてもなんら疑問ではないんですよ。」



「あっ…そうか。」




私が答えると納得したようだった。




「あれ?俺たち二人は可笑しくないんだよね?じゃあ…」




再び視線を向けられたのは、飯田だった




「…っやっぱり貴様が犯人か!!」



「ちっ、違っ…!俺じゃない!!」




飯田が必死で言う。




「さっき言ったじゃないですかーさんまさん、飯田が会った時刻、既に山下よしみさんが亡くなっていたという仮説を」



「あ」



「魚のくせにトリ頭が!とか全然思ってる」



「ワォ☆紅葉ちゃん辛辣!」



「うるさいぞ貴様ら!」




逆切れだと思う。




「じゃあ、誰なんですか?その…指紋があると変っていう人は…」




高田が言う。




「それは……」