ん?そういえば、死体が見つかった時、側には携帯が無かった。
「携帯については、さんまさんが説明してくれます。」
「え?」
思わず声を出してしまった。だって、ねぇ‥?
私の目線に気付いたのか、苦虫を噛むような表情で魚沼は言った。
「…山下よしみの遺体が発見されてから、我々警察が部屋を捜索した時、携帯が見つかった。
この小僧から連絡を受けた時、山下よしみの携帯から指紋を調べさせられた。」
いつの間に、と思ったがそういえばちょいちょい話をしていた気がする。
「…で、その携帯だが………指紋は付いていなかった。…山下よしみ本人のもな。」
…っ!
「え?よしみの携帯、なのにですか…?」
細い声で言ったのは高田。
そう、持ち主がいる限り携帯に指紋が付いているのは当たり前のこと
その当たり前がないのならー‥
「犯人が、拭いたんでしょうね。」
白馬が言った。
「実はこの携帯の指紋がないというさんまさんの連絡がなければ、俺はこの事件が解決できなかった。」
あぁ、私の家の前で交わされていた電話の会話
あの時から、白馬はわかっていたのだ。
事件の真相をー‥


