「そう!この事を考えてると、『あれっ?』って疑問が浮かび上がってくるんですよねー。」
間延びした声がやたらと人を煽ってきている気がしてくる。
「12:30~1:00までの30分間、ここで山下よしみさんは殺害されていなければならない。」
だが1:00にはまだ生きていた。
「あれじゃないのか?死亡時刻が違うとか…」
「それは考えにくいですよ。山下よしみさんの遺体があったところは山ですよ。」
高田が口を挟む。
だが白馬の言うとおり、近くに暖房器具があったわけでも、
その日に雨が降っていたわけてもない。
死亡時刻が間違っているという判断はまずないだろう。
そう考えるとー‥
「まさか‥」
ここで一つ、
私にはある考えが浮かんだ。
口に出た言葉を、白馬は地獄耳でしっかりと捉え、
私に笑みを向けていた。


