私が戦国時代に来て早二ヶ月に入った。

今は暑い夏の時期で、城下町の人たちも大変な時期らしい。


「それにしても…」

なんだかんだで未だにどうやってこっちに来たのか、どこで見つかったのか分からずじまい。

この前聞けそうだったのにタイミングを逃してそれっきり。

「はぁ……」

ーーギシッ

今頃向こう(現代)の方はどうなってるのかな?

仕事山積みか、用済みか……。

「どちらにしても憂鬱だぁ~~」

「何が憂鬱なんだ?」

「わぁっ!?」

1人で部屋から景色を眺めて呟いていたのが聞こえたのかな?

突然声をかけられた乃亜は心臓がバクバクと鳴った。

「悪い、脅かすつもりはなかった。」

「政宗くん」

「通りかかったら何かぶつぶつ言ってるのが聞こえてさ、部屋を見ると乃亜が居たからビックリしたぜ!」

政宗くんはニカッと笑って言った。

ーードキッ

今一瞬だけ、政宗くんがカッコ良く見えたのは気のせいかな?

「どうした?」

政宗は乃亜の近くまで歩いてドサッと目の前に座った。

「な…何でもない!」

まだ心臓がドキドキいってる。

落ちつかなきゃ…。