しばらく抱きしめられていると屋敷の方から声が聞こえた。

「信長~乃亜~!」

「クスッ、時間がきてしまいましたね。」

スッ…

信長はそう言って乃亜を自分の腕の中から解放した。

「信長、お客だ。」

「誰ですか?」

「それが……えっと…」

「…まさかあの方ですか?」

「そのまさかです。」

あれ?何か雰囲気が暗くなった。

「どうしたの、2人とも暗いよ?」

「乃亜、あなたは会わない方が身のためです。隠れていなさい。いいですね?」

「え、だから誰…「いいですね?」

ビクッ

「はっ、はいぃ…」

なんか今の笑顔、黒くてあといろんな意味で怖かった…。

「家康、別にそこまでしなくても…」

「何言ってるんですか、あの人に乃亜を紹介したらどうなるかお分かりのはずですよね?」

「そ、それは…まぁ…。」

信長くんは視線を斜め下にそらしながら答えた。

「あんな卑怯で自分勝手な人に乃亜は渡せないですよ!」

ガシッ

「誰が卑怯で自分勝手なのかな~…家康よ?」

また新しい人が出てきた…。(←いい加減慣れた乃亜)