ーーガラガラ
「ただいま戻りました。」
「おう、どうだったよ外は。」
「はい、町の人たちは活気があってとても賑やかな場所で楽しかったです。」
「そうですか、それは何よりですね。」
「ええ、民が明るく元気に生活をしていると分かって一安心です。」
「どういうことですか?それに信長くんは何で行かなかったの?」
「信長はこれでも尾張の次期当主です。ですから民との接触は控えなくてはいけないのです。かくい僕も同じですが…。」
家康は苦笑いをしながら答えた。
「だから嬢ちゃんと幸村を行かせたわけよ。話があるなんて嘘ついて悪かったな。ちなみに幸村は前からやっているから知っている。」
「そうなんですか。そんな事があるとは知らず浮かれてはしゃいじゃって恥ずかしいな…!」
「そんな事ありませんよ。知らなかったからこその表情でしたよ。」
「え?」
「つまりですね、この事を知っていたら見えるものも見えないままある程度の収穫で終わる、と言うことです。」
「そ、そうなんですか。」
