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本気になってはダメ。
蝶々夫人のような末路はごめんだわ。
若い男に捨てられたからって、自殺するような女じゃないけれど
それでも傷つくのはわかりきっている。
これ以上はだめ
そう思うけれど、彼の体温が心地よくて、彼の吐息が甘美で―――
まるで引きずられるように、
まるで中毒のように
私は彼に溺れそうだった。
体温――……吐息………?
私は、はっ!となって目を覚ました。
ガバッ!!
ほとんど飛び上がるように、勢い良く半身を起こして、素早く状況を確認する。
見慣れない部屋の風景。
こざっぱりと、しかし豪華な調度品が目立つ。
私が寝かされていたベッドも大きなキングサイズのベッドで、すぐ隣では誰かが頭から羽毛布団をかぶって横になっていた。



