万札をテーブルに置いてもう一度カクテルを飲み込む。 すぐ傍まで出かかった涙も一緒に飲み込むように。 「新しいおもちゃを新調したら?」 と、最後までフザケタ言葉に私は思わず苦笑い。 啓人も笑い返してくれた。 けれど その笑みをふっと止めるとうっすらと悲しそうに微笑んだ。 「俺は……紫利さんが欲しかったものをあげることができたけれど、 あなたが本当に望んでいることを叶えてやれない。 戻ったら?旦那のところに。 愛してるんだろ?」