一通り話を聞き終えると、私はやや乱暴な仕草でシャンパングラスをテーブルに置いた。
「で、諦めるって言うの?
つまらない男に成り下がったものね。啓人も」
冷たく一言言い放つと、
「――――え?」
彼はまた私にはじめて見せる間抜けな顔で聞いてきた。
「そんなこと言われたぐらいで何?私たちホステスはねぇ、お客さんに冷たくされてもそれでもめげずに声を掛けるわけ。
それは仕事だからってのもあるでしょうけど、仕事も恋愛も一緒よ。
最初から諦めてたら、結果なんてもちろんついてこないわよ」
私が自分の考えを述べると
「…でも、二度と恋はしないって言い切ったんだよ?」
彼は情けなく眉を下げた。
ああ、もう情けない。
こんな男に恋をしていた自分が恥ずかしい――――
いいえ
違うわ。
きっとこんな顔させられるその〝彼女”が羨ましくもあったのだ、私は―――
私は彼をこんなに気弱にさせることも、情けなくさせることも、かっこ悪くさせることもできなかった。
私が彼を夢中にさせられなかった。
それが
ちょっとだけ悔しかった。



