後悔――――今さらな気がするけれど、当然ながらそれを責められる立場じゃないのは分かっている。
「ねぇ蒼ちゃん…とりあえず送っていくわ。
話し合いは後日にしましょう?今はあなた酔ってるし」
私は蒼介の元に屈みこむと、蒼介の両肩を手で支えて立ち上がらせようとした。
けれど蒼介がその手を拒むように私の両腕を掴んだ。
「どうしても!どうしても君とやり直したいんだ!
僕は君じゃないとだめなんだ!!」
蒼介が私の腕を力強く握って勢い込んできた。
身を乗り出し、髪を乱れさせ、まるで唾が飛んできそうな勢いから彼の真剣さを感じ取った。
こめかみに浮かんだ血管が一層力強く波打っている。
まるで別人を見てるようだった―――
蒼介じゃない違う男を―――……
私ははじめてみるその気迫に今度こそ何も言えず、ただ目を開いて蒼介のその姿を凝視するしかできなかった。
「君じゃないと……」
蒼介は再び呟き、だけどその言葉はさっきの勢いを失っていて随分と弱々しかった。
私は両手を掴まれたまま、床にぺたりと腰掛けた。
蒼介じゃない違う男だと思ってたら―――やっぱり蒼介で
「君を愛してるんだ」
弱々しく呟かれた言葉に
涙が出そうだった。
私もよ。
私も―――
こうなってはじめて気づいたの。
私はカットソーの中で揺れる華奢な八分音符のペンダントのある辺りをそっと押さえた。



