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それから一週間経った。
週末だったし、萌羽はお店が忙しいのか帰りは夜中だ。
私は一人分の食材を近くのスーパーで買いこんで、萌羽から預かっている合鍵の感触を確かめながらエレベーターから降り立った。
夕暮れの赤色が染める廊下を歩きながら、部屋の前で誰かが座り込んでるのが見えた。
カシャン…
合鍵がスルリと手から滑り落ちて、あっけなく地面に転がる。
今度は……見間違い―――なんかじゃない。
「蒼介―――…?」
そう答えると、俯いていた蒼介はのろりと顔を上げた。
疲れきったその顔は相変わらず青白くて、浮き上がった頬骨がもともと細身だったのに、さらに痩せたことを物語っていた。
「……紫利ちゃん…ごめん……突然来たりして…」
蒼介は虚ろな目で私を見上げると、のろのろと言葉を発した。
若干呂律が怪しい。
私が駆け寄って彼の細い肩に手を伸ばすと、僅かばかりアルコールの匂いを感じた。
「蒼ちゃん…酔ってるの?」
近づいただけで匂いが分かったぐらいだ、結構な量を飲んだに違いない。
「や…大丈夫…」
蒼介はそう言って立ち上がろうとしたけれど、もつれた足をよろけさせて扉に背を突いた。
「ちょっと、大丈夫じゃないわよ。
と、とりあえず中に入って」



