『………紫利ちゃん』
蒼介が私を呼ぶ。
そう呼ばれると何だかくすぐったかった。
だって30にもなって“紫利ちゃん”よ?
まるで中学生に戻った気分。
でもそう呼ばれるの
結構好き。
はにかみながら彼は笑う。
照れくさそうに彼は私を呼ぶ。
話上手じゃないし、正直退屈なときもある。
でも
でもね
彼が一生懸命になって私に向き合ってくれるあの姿、好きなの。
私の作った料理を何でも「おいしい」と言ってくれるあの控えめな笑顔が好きなの。
『結婚してください』
不器用で、いろんなことうまくできないけど、
「蒼ちゃん――――
大好きよ」



