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長い風呂だった。
久しぶりに
若い男との情事。
それは想像する以上に私を熱くさせ、久しく忘れかけていた女の快感を呼び起こしてくれた。
彼の肉体だけではなく魂までもがエネルギーとなって染み込んできた気がして、
年甲斐にもなく
私も彼を
求めた。
これが最後の夜だと思ったからか―――
出る頃にはすっかりのぼせていた。
啓人は私よりも長湯が苦手なようで腰にバスタオルを巻いただけの格好でふらふらした足取りで部屋の大きなベッドに向かい、沈むようにうつ伏せになっていた。
私は風呂上りの体にバスローブを羽織ながら、部屋にすでに置いてあったロックグラスにバーボンと氷をロックグラスに注ぎいれた。
「はい。これ飲んで少しは体温冷ましたら」
私は出来上がったロックグラスを啓人の頬によせると、啓人はのろのろした動作で顔だけを上げた。
「サンキュ」私のグラスを受け取って
「話って何?」とそのままの姿勢で聞いてくる。
うつ伏せに横になりながらウィスキーを飲む啓人。
私はローブの合わせ目を合わせて近くのソファに腰を降ろした。
「私―――あなたと会うの、やめようと思うの」
私の言葉に啓人はグラスをもったまま首だけをこちらに捻った。
「はぁ。それは何で?」