本当の姉妹のように―――
いいえ、私は今でも本当の姉妹のように思っている。
私の可愛い妹―――……
だけれど萌羽の申し出を受け入れるわけにはいかなった。
私は蒼介を裏切り、萌羽を傷つけ―――
それこそ何もなかったように萌羽と一緒に居ることなんてできない。
「ありがたいことだけど……」
私が萌羽の手に自分の手を重ねると、
萌羽の指先がきゅっと私の手を握り返してきた。
「姉さんがそう言うとは思ってた」
小さく吐息をついて、
「やっぱり私、軽率なことをしたわ。
未来が分かりきっていたにの、あがくようなことをして―――
結果、大切な人を傷つけた」
私は懸命に握ってくる萌羽の指先を同じだけ懸命に握り返した。
「あなたのせいじゃない。悪いのは私―――
あなたは何も悪くない。
軽率なのは私よ。私の行いのせいで夫と恋人を失い、
そして
大切な妹まで―――……
何より、あなたが好きだった“月香”を
失った」
そう、私が失ったものは“自分自身”だったのだ―――



