私はどうすればいいのだろう。
行く当てのない恋心に、どうすれば終止符が打てるだろう。
アキヨから彼が部屋を取っていることを聞かされ、自分が誘われていない事実を目の当たりにもしても、私はやっぱりどこか諦められなかった。
遊び相手でもいいから―――なんて。…なんて安い女。
自分で自分が嫌になる。
自己嫌悪に陥ってシャンパンに口を付ける。
自分の汚い考えを、アルコールで流してしまいたい。
―――そのときだった。
バシャンっ!!
水が零れる…そして何かに跳ねる音をすぐ近くで聞いて、私は目を開いた。
私の足元にワイングラスが転がってきて、私のつまさきにぶつかるとブラスはぴたりと止まった。
ゆっくりと足元から視線を上げると、ちょうど膝の辺りで鮮やかな赤い色の染みが広がっていた。
「うゎ!大丈夫かよ!」と啓人が屈みながら慌ててグラスを拾い、ウェイターが顔を青くして走ってきた。
「お客様!大丈夫ですかっ!」
「月香姉さん!大丈夫ですか!?」
すぐ近くに居たのか、誰かが私の肩に触れる気配がして、私はのろのろと顔を上げた。
私を心配そうに覗き込んでいたのは―――
アキヨだった。



