パーティーは予定通り18時に開かれた。
参加人数はグループ会社の役員だけでも、50人近く。その他役職を持ったお偉方が50人ほど。
そして得意先なのだろう。どの名前も見知っている大手の企業からも50人ほど。
その中に私たちホステスが20人程。総勢170人近くに昇った。
主賓である神流会長の挨拶がなされ、その後も常務取締り役、専務取締役などの来賓が次々に挨拶されていくなか、
肝心の息子の紹介はなかった。
「あれー??今日は参加って言ってたのに、来ないのかしら」と萌羽も小声できょろきょろと視線だけを辺りに配っている。
「用事でもあるんじゃない?」そっけなく返して、それでも私もさっき嗅いだあの香水の香りを纏った男を探している。
正装をした若い男というのは少なく、すぐに顔を確認できたけれど、やはりその中に啓人の姿はない。
考え過ぎ……か。
あの夢だって偶然よ、きっと…
そう思う頃には挨拶が終わって、それぞれが思い思いのパーティーを楽しむ雰囲気になっていた。
神流会長はさすがに挨拶周りが忙しく、ほとんど飲み物を口を付けていない。
そんな姿をぼんやりと見ながら、私に話しかけてくる男たちの相手をし、アルコールや食事の采配をしているときだった。
「月香さん。来てくれたんですね」
以前に聞いた覚えのあるしっとりとした重低音の声がして私は顔を上げた。



