**赤いテールランプ** うっすらと目を開けると夜の気配を滲ませた空に赤いテールランプが煌々と連なっていた。 そのランプの色は私に警告を促しているように 思えた。 ―――― ―― 泡沫の夢の中で―――……… 私は足を速めるように走っていた。 着物の裾が脚に纏わりついてもつれそうになる。 急ぐ私の手を、誰かの手に握られた。 大きくて―――温かくて……全てを包み込んでくれる温もりと、全てを奪っていく情熱を含んだ――― その手は 啓人のものだった。