Addict -中毒-



そんな雰囲気の中、女はさらに喚きたてる。


「あたし見ちゃったんだから!あなたの携帯にアヤコって女から何件も着信が残ってるのを!」



バカね。


もっとうまくやりなさいよ。


そしてもっと上手い言い訳考えなさいよ。


そんなことを思いながらも若干うんざりしたように、私は彼らの方をちょっと窺った。




彼はテーブルに頬杖を突きながら


びっくりするぐらい冷めた視線で立ち上がった女を見上げていた。




射るように険しく、何もかも凍りつかせるような冷ややかな視線。






直感―――彼はホントは怖いオトコ





でもそんな冷めた視線から、私は何故か目が逸らせなかった。


「見たの?携帯」


びっくりするほど据わった低い声に、女も…そして私も一瞬びくりと肩を揺らした。


「だってあなたが…」


「言い訳は結構」


彼が冷たく被せる。決して声を荒げてるわけではないのに、その威圧感がひしひしと伝わってくる。


彼の怒気が私の足元までゆっくりと侵食して、そこから冷たい何かが這い登ってくる気がして、私は身震いをした。





「あれは同期だ。それを信じる信じないはお前の勝手だけど、一度二度セックスしたぐらいで、俺の女ヅラするな」