電話を受けると同時に職員室の外に目を向けると、俯きながらゆっくりと歩く工藤の背中が見えた。 松本は自分自身に失望した。 工藤の小さくとも確かな勇気を受け止められなかった。 その覚悟が自分にはない。 自分でも気づかない内に、松本は逃げ出していた。 まさかというショックから立ち直ることをやめ、思考という逃げ道に身を隠した。 どうしようかと悩んでいる自分は、何もしていないわけじゃない。 そう思うことで、行動に移そうとしない自分を正当化していた。