そらぐみ


誰もいない桜並木、降り注ぐ日差しが真っ直ぐに彼女を照らしている。

いつもより軽い足取りが彼女の心情を表していた。

彼女の頭の中には綺麗に並んだ机と椅子、そこへ着席する輝く笑顔を浮かべた生徒たちがいた。

そして生徒たちが注目する中、教壇に立ち挨拶をする自分の姿……。


今日は入学式。

自分が初めて担任を受け持つ1年1組が始まる、記念すべき1日。


松本は立ち止まり、桜の木を見上げながら大きく深呼吸をすると再び歩き始めた。

目の前に伸びる一本道が輝く未来へ続いていると、このときの松本は心から信じていた。