『何してんの。』 雄大な青空を前に呆然と立ち尽くしていた上野は、その言葉で我に返り声のする方へ視線を向けた。 屋上の隅の方に、柵に寄りかかるように立ち上野を睨みつける瀬野がいた。 「あっ……、えっと………」 上野が言葉に詰まっている間に瀬野は上野に背を向け空を見上げた。 結局言葉が見つからなかった上野はゆっくりと歩き出し、瀬野の隣で同じように空を見上げた。 「今日は天気いいな。」 やっと出た声は、上野自身が驚くほど間抜けなセリフだった。